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ショスタコーヴィチの交響曲第9番は最初から最後まで音楽に勢いがあり、生命力があった。軽やかな第1楽章はシナイスキーにぴったり。第2楽章と第3楽章、第4楽章では、新日本フィルの優れた木管奏者たち、クラリネット(マルコス・ペレス・ミランダ)、フルート(荒川洋)、ファゴット(河村幹子)、オーボエ(金子亜未)の名演を引き出す。オーケストラとのバランスが良いのでソロも引き立つ。各奏者が乗って吹いているのが感じられる。

第3楽章スケルツォは冒頭の難しいクラリネット・ソロが名演で、その乗りの良さがトランペット(服部孝也)のソロに伝搬、ついでオーケストラ全般に良い影響を与えるという理想的な循環が実現した。第4楽章でのファゴットのソロと、続く金管のファンファーレも素晴らしかった。好調なファゴットがそのまま第5楽章の冒頭の主題を吹き始め、オーケストラも後半のテンポを上げ、全員が集中し、盛り上がっていく。鮮やかなコーダ。もう言うことなしの名演だ。

後半のチャイコフスキーの交響曲第5番が楽しみになったが、その期待は十二分に満たされた。テンポは速め。チャイコフスキーとは思えないくらい明るい音色。しかし、各パートのバランスが自然で無理がない。どの奏者も肩に力が入らず、余裕を持って演奏をしている。ホルンの吉永雅人があれほど楽々と気持ちよさそうに第2楽章冒頭のソロを吹くのを見るのは初めてではないだろうか。ただ気持ちが良すぎたのか、オーボエとの掛け合いで一瞬乱れたのはほほえましかったが。